2005年 05月 20日
倉橋由美子「聖少女」と冷房 |
倉橋由美子「聖少女」に、冷房のことが出てきた。昭和40年(1965)、冷房が今みたいに普及していなかった時代に刊行された小説です。
主人公の少女の、思いっきりデカダンで贅沢な暮らしぶり(学校の制服の下にフランス製のスリップを着用し・朝からレモンジュースにウイスキーをたらして飲み・赤坂のPホテルのプールで泳ぎ)を演出する小道具として「冷房」が出てくる感じ。
聖少女の部屋に入ってきた「ばあや」が「この部屋涼しいねえ。冷房がききすぎると からだによくねえっていうわよ」というシーンがあります。(新潮文庫P70)
かつて、日立はエアコンの値段が高いという理由でエアコンの生産を中止していたそうです(1954年から1957年まで)。
なので、1965年、自宅に寒いくらいに冷房かけちゃう「聖少女」は、けっこうなご身分?
しかし21世紀、つぶれかけたビデオ屋も、トレイの芳香剤プンプンの喫茶店でも、強い冷房をきかせるようになりました。
冷房=贅沢、というのは公式は、もう成り立たない。これからは緑陰の涼しさ、自然の涼風が贅沢になるのかもしれません。
主人公の少女の、思いっきりデカダンで贅沢な暮らしぶり(学校の制服の下にフランス製のスリップを着用し・朝からレモンジュースにウイスキーをたらして飲み・赤坂のPホテルのプールで泳ぎ)を演出する小道具として「冷房」が出てくる感じ。
聖少女の部屋に入ってきた「ばあや」が「この部屋涼しいねえ。冷房がききすぎると からだによくねえっていうわよ」というシーンがあります。(新潮文庫P70)
かつて、日立はエアコンの値段が高いという理由でエアコンの生産を中止していたそうです(1954年から1957年まで)。
なので、1965年、自宅に寒いくらいに冷房かけちゃう「聖少女」は、けっこうなご身分?
しかし21世紀、つぶれかけたビデオ屋も、トレイの芳香剤プンプンの喫茶店でも、強い冷房をきかせるようになりました。
冷房=贅沢、というのは公式は、もう成り立たない。これからは緑陰の涼しさ、自然の涼風が贅沢になるのかもしれません。
by NOROSIKA
| 2005-05-20 10:08
| お嬢様と冷房