2005年 05月 27日
衣替えって。その3 |
「衣替えって。その1」で、衣替えの習慣と“酷暑の背広”の微妙な関係について書いてみましたが、その続きです。
「ある日を境に」「全員でいっせいに」衣替え。その気分は、少し前の時代にもっと強力だったみたい。(私はきもののサイトもやっていたりするので、その辺に関心を持っている。)
■まず、御存知、沢村貞子さんのエッセイ『寄り添って老後』。
暑くても寒くても衣替えするって不合理だよね、とぼやく少女時代の沢村さんに、お母さんが「世間様とのおつきあいさ」と答えるシーンがあります。
この「世間様とのおつきあい」という感覚。
いいんだか、悪いんだか。
これは明治生まれの女性に戦前の話を聞いた時にも出てきました。
彼女曰く(頭脳明晰な95才・当時都心在住)“家の中では衣替えに関係なく着ていたけれど、お出かけとなるとキチキチッと1日の狂いもなく、暦どおりに着物を変えました。間違ったって何か言われるわけじゃないけど、守らないと周囲から目立ってしまうんだよね。”
……自分の体感温度より「世間様」なのか。
地域によって考え方に差はあったかもしれないけど、この気分は現代にもしっかり受け継がれているように感じる。
■大村しげさん『ほっこり京ぐらし』にも、カレンダー厳守系の文章があった。
皮肉なことに衣替え前は猛烈に暑く、6月に薄着に衣替えした途端に寒くなるもの。それを「辛抱せんならん。なんぎやけれど」と書いています。
なぜそこに辛抱がいるのかなあ。
宮尾登美子さんのエッセイにも、
5月末まではどんなに暑くても衣替えをしないとありました。
大村さんも宮尾さんも、5月に早々と衣替えしてしまう人を見て、“私はああいうことはしないわ、暑くても6月まで耐えます!”のような文章を添えているのが印象的。
これらの出所不明の忍耐力は、健康に影響を及ぼさないの?ドキドキ。
■古いしきたりを、暑さに耐えながら守る方々。しかし、そのよりどころになっているカレンダーは明治になってから急遽採用された西洋の暦というのが、謎…。
昔の人の生活ぶりは、本当に尊敬してます。だけど衣替えに関しては、動物の換毛をお手本にしたいように思う。(「衣替えって。その2。」へ)
「ある日を境に」「全員でいっせいに」衣替え。その気分は、少し前の時代にもっと強力だったみたい。(私はきもののサイトもやっていたりするので、その辺に関心を持っている。)
■まず、御存知、沢村貞子さんのエッセイ『寄り添って老後』。
暑くても寒くても衣替えするって不合理だよね、とぼやく少女時代の沢村さんに、お母さんが「世間様とのおつきあいさ」と答えるシーンがあります。
この「世間様とのおつきあい」という感覚。
いいんだか、悪いんだか。
これは明治生まれの女性に戦前の話を聞いた時にも出てきました。
彼女曰く(頭脳明晰な95才・当時都心在住)“家の中では衣替えに関係なく着ていたけれど、お出かけとなるとキチキチッと1日の狂いもなく、暦どおりに着物を変えました。間違ったって何か言われるわけじゃないけど、守らないと周囲から目立ってしまうんだよね。”
……自分の体感温度より「世間様」なのか。
地域によって考え方に差はあったかもしれないけど、この気分は現代にもしっかり受け継がれているように感じる。
■大村しげさん『ほっこり京ぐらし』にも、カレンダー厳守系の文章があった。
皮肉なことに衣替え前は猛烈に暑く、6月に薄着に衣替えした途端に寒くなるもの。それを「辛抱せんならん。なんぎやけれど」と書いています。
なぜそこに辛抱がいるのかなあ。
宮尾登美子さんのエッセイにも、
5月末まではどんなに暑くても衣替えをしないとありました。
大村さんも宮尾さんも、5月に早々と衣替えしてしまう人を見て、“私はああいうことはしないわ、暑くても6月まで耐えます!”のような文章を添えているのが印象的。
これらの出所不明の忍耐力は、健康に影響を及ぼさないの?ドキドキ。
■古いしきたりを、暑さに耐えながら守る方々。しかし、そのよりどころになっているカレンダーは明治になってから急遽採用された西洋の暦というのが、謎…。
昔の人の生活ぶりは、本当に尊敬してます。だけど衣替えに関しては、動物の換毛をお手本にしたいように思う。(「衣替えって。その2。」へ)
by NOROSIKA
| 2005-05-27 08:09
| 衣替えの謎